あなた自身の真に意味のある仕事を実現するために、JD(job description:職務定義書)を仕事の中心に置いて、 もが互いに納得できる透明性をもって、正々堂々、公明正大、理路整然と、是々非々の議論を尽くせる環境が必要である。
その中で共存共栄をめざし、正しい環境下で競争が行われ、切磋琢磨が繰り返される中で、よりよい商品やサービスや仕組みが生み出されていく社会に日本を変えていかなくてはいけない。
(本書「はじめに」より)
今こそJDを!コロナ禍での「ジョブ型雇用」「テレワーク」では、仕事を明確にするジョブ・ディスクリプション(JD:職務定義書)の導入が不可欠。
あなた自身のJDを書くことはできますか?
JDでスペシャリストを目指そう。どの会社・職場でも求められるような、あなた自身の特別な職能を伸ばすには何をしますか。会社にぶらさがる人生は「社内のゼネラリスト」にはなれても、会社の外側で通用するスペシャリストとはなり得ません。経験、人脈、スキル。あなた自身が売れるものは何ですか。
仕事の貢献と報酬は一致すべき(C=C:貢献〔contribution〕と報酬〔compensation〕は同等)。給料があがる職場へ移り、自分の技術や経験をより強くしていくべき。会社に自分の人生を預けてはいけません。
日本は長期停滞で給料が実質的に上がらない時代です。コロナがそれに追い打ちを掛けています。企業は内部留保があるのですが、それを社員の給料に反映していません。自分の専門性を高めて、スペシャリストになり、よりよい報酬が得られる場所を探しましょう。まずはあなた自身の強みを意識し、あなたの仕事をJDとして書いてみてください。
はじめに―なぜ今、JDが必要なのか
第1章 仕事を再定義する―JDの考え方
JD(Job description)とは何か
JDには何が書かれているのか
なぜJDが今の時代に必要なのか
成果主義が日本に根付かなかった理由
成長産業と衰退産業、仕事と作業の違い
C=Cの原則(貢献〔contribution〕と報酬〔compensation〕は同等)
共存共栄を目指し、競争することでシナジー効果が生まれる
ゼネラリストではなくスペシャリスト
プレーヤーとマネジャー
競争原理が働く所で、正しい切磋琢磨を
結果としての平等ではなく入口の平等を
JDがあれば密室もなくなる
第2章 JDの具体像
JDの効用
経営者や人事部が知るべきこと
再チャレンジとセット
JDがもたらす正しい報酬
無駄な仕事が明らかになる
重要なのは「透明性(トランスペアレンシー)」
誰がJDを作るのか
JDで雇用のミスマッチが減る
あなたのJDをつくってみましょう
第3章 JDをめぐる対話
■ 対話1
日本経済が緩やかに衰退する根本的理由
ジョブ型組織を並行して動かす
契約社員の年俸を上げて正社員の給料を落とす
マネジメントへの転身
コロナで「化けの皮」がはがれた
■ 対話2
人事異動は「日本的慣例」
真の意味での適材適所
人事部が重要
■ 対話3
新卒後に進路変更
「あなたを雇う理由は何ですか」
強みがあればブランクがあっても大丈夫
■ 対話4
テレワークで「働き方格差」が広がっている
スペシャリストの時代
JD(職務記述書)とCⅤ(職務経歴書)
形容詞と副詞を使わない
新卒採用とJD
JDは働く人にとって実は優しい
会社と従業員は対等
社員が「辞められない理由」
第4章 私のJD アメリカでのビジネス経験
「なりたい自分」になるキャリア
野球と私の人生
大学進学後、縁あって野球を支える方向へ
裸一貫、海外へ
アメリカでのビジネス経験
ウォルトディズニーグループの会社に「日本人発初社員」として採用
英語の勉強はフリーダイヤルで
人脈構築術―「邂逅」と「縁」を大切に
交渉相手を間違えない
感謝の気持ちを込める
直接話すことも効果的
粘り強く取り組む
第5章 若い人たちに伝えたいこと
切磋琢磨の競争に勝つ力
パイオニアになる
夢を実現する「4C」と「3F」
24、7、52×100年
利他の心
100年後の日本
あとがき