新刊
近刊

とびこえる教室

フェミニズムと出会った僕が子どもたちと考えた「ふつう」

男子が散らかし女子が片づけ、それを是認する大人…学校のジェンダー不平等に「おかしくない?」と子供に問い続けた教師の実践の記録

著者 星野 俊樹
ジャンル 教育
出版年月日 2025/06/25
ISBN 9784788720497
判型・ページ数 4-6・176ページ
定価 1,870円(本体1,700円+税)
在庫 未刊・予約受付中
「『ふつう』って、いったい何なんだろう。」私はこれまでの人生で、何度この言葉をつぶやいてきたことでしょう。子どもの頃、スポーツが得意ではなく、部屋でテレビゲームをしたり、女の子とおしゃべりをしたり、交換日記を書いたりするのが好きでした。初めて恋をしたのは、同級生の男の子。文化系でインドア派だった私は、いわゆる「男子ノリ」にもなじめず、「男らしさ」とは縁遠い子どもでした。

そんな私に対して、周囲の大人やクラスメイトは「男の子ならふつうは〜」と何度も言いました。大人になってからも、「社会人の男性ならふつうは〜」といった言葉が、日常のあちこちから聞こえてきます。それが今でも正直、息苦しい。私にとって「ふつう」という言葉は、定食屋の「ご飯ふつう盛り」くらいで十分なのに……。そんな「ふつう」との距離感を持ち続けてきた私は、大学卒業後、社会や学校が押しつける「ふつう」に揺さぶりをかけたいと考え、小学校の教師になりました。それが、20年前のことです。

今では「多様性」や「ジェンダー」という言葉が広く知られるようになりました。もしかしたら、「もうジェンダー平等は達成されたのでは?」「女性や性的マイノリティへの差別はなくなったのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、実際には日本のジェンダーギャップ指数は依然として低いままです。

学校という場でも、「異性愛が当たり前」とされたり、「女らしさ」「男らしさ」に従うことが当然のように求められたりする状況は、今なお続いています。だからこそ、本書を通して、あらためて「ふつうって、何なんだろう?」と問いかけたいのです。

子どもたちが、性別や環境に縛られず、自分らしく生きるにはどうすればいいのか。「ふつう」を押しつける社会のあり方を変え、ジェンダー平等を実現するために、どのような知識や視点が求められるのか。そして、教師として学校現場で何ができるのか――。私はずっと、そうした問いを抱えながら、試行錯誤を繰り返してきました。本書では、私がこれまでの経験を通じて考えてきたことを、みなさんと共有したいと思います。(「はじめに」より)
■第1章 男らしさに苦しんだ子ども時代
■第2章 学問と出会い、世界の見え方が変わる
■第3章 教師になって気づいた学校の中の男性性
■第4章 私の教育実践―「生と性の授業」
■第5章 「自分らしさの教育」から一歩先へ

SHOPPING ご注文

定価1,870円(本体1,700円+税)

ネット書店で購入

SHARE シェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加

おすすめ書籍

  • 2025年度版問題集

  • 新毒物劇物取扱の手引き

  • 教員採用試験対策サイト

  • 日本伝統文化検定