江戸のメディア王・蔦重がヒットさせた本とは? - 2025.02.13
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北極が教える未来 時事ワールド・ウオッチング・シリーズ02
激変する極地の覇権・資源・環境
北極を見れば、世界の未来が分かる―。氷解とともに動き出した超大国の覇権争い、資源開発、気候崩壊の最前線。ボーン・上田賞受賞。
著者 | 時事通信北極取材班 著 |
---|---|
ジャンル | 政治・経済 社会・歴史 |
シリーズ | 時事ワールド・ウオッチング・シリーズ |
出版年月日 | 2025/07/30 |
ISBN | 9784788720534 |
判型・ページ数 | 4-6・216ページ |
定価 | 2,200円(本体2,000円+税) |
在庫 | 未刊・予約受付中 |
トランプ米大統領はなぜ「グリーンランド」を欲しがるのか?
北極を見れば、世界の未来が分かる―。
氷解とともに動き出した超大国の覇権争い、資源開発、気候崩壊の最前線。
「北極」と聞いて何が思い浮かぶだろうか。氷に閉ざされた海、ホッキョクグマ、オーロラ、犬ぞりでの冒険――。実は今、北極はロマンあふれる未知の海といったイメージで語れる場所ではなくなり、その容貌を急速に変えつつある。地球温暖化、安全保障、資源開発など、さまざまな面で注目される最前線なのだ。
北極取材班代表の出井亮太は、本取材で2024年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。
変貌する北極の現状を取材するため、時事通信社が2024年に編成した取材班。政治、経済、科学、外交、安全保障、水産各分野の専門記者と特派員で構成し、取材成果は連載企画「66°33′N =北極が教えるみらい=」と題して配信された。本書は、この連載に大幅な加筆を施し、その後の情報をアップデートしたものだ。
▢序章 蒼い海へ 研究船「みらい」北極航海同乗リポート
記者が体感した北極海の現状や過酷な環境で観測活動を行う研究者らの姿を紹介する。
6日に青森県むつ市の母港から出航。太平洋からベーリング海峡を抜け、北極海で観測を行い、9月30日に米アラスカ州のダッチハーバーで航海を終えた。急激に変動する北極の現状を報告する。
▢ 第1章 二つの北極
北極を舞台に交錯する各国の思惑と利害を描く。
平和は破られた。2022年に始まったロシアによるウクライナ侵攻で、北極は再びロシアと北大西洋条約機構(NATO)がにらみ合う「対立の海」となった。一方、トランプ大統領率いる米国と欧州の関係がぎくしゃくする隙をつき、中国がロシアと組んで影響力の拡大を狙う。
▢ 第2章 秘められた可能性
蒼い北極が秘める資源開発の可能性と日本の関与を探る。
北極では早ければ2030年代に、海氷がすべて消える夏が訪れるとい
われている。急速な温暖化は負の影響をもたらす半面、北極圏における石油や天然ガスなど海底資源の採掘を可能にした。新航路の開拓や新たな水産資源にも期待が集まる。
▢ 第3章未 来が見える場所
北極からもたらされる環境変化を追う。
「10年前、この辺りは分厚い氷で覆われていた」。海氷域航海の専門家が指さした先には、溶けかけのシャーベットのような海氷がぽつりぽつりと浮いているだけだった。世界で最も速く温暖化が進む北極では、既に生態系や人々の生活に変化が起き始めた。それは、われわれがそう遠くない未来に直面する現実でもある。
◎「時事ワールド・ウオッチング・シリーズ」
いまだ十分には知られていない国や地域の実情を、第一線の研究者や専門家、ジャーナリストらが独自の情報と知見を基に解説。インターネットでは得られない、信頼度の高い国際情報を提供していく。
北極を見れば、世界の未来が分かる―。
氷解とともに動き出した超大国の覇権争い、資源開発、気候崩壊の最前線。
「北極」と聞いて何が思い浮かぶだろうか。氷に閉ざされた海、ホッキョクグマ、オーロラ、犬ぞりでの冒険――。実は今、北極はロマンあふれる未知の海といったイメージで語れる場所ではなくなり、その容貌を急速に変えつつある。地球温暖化、安全保障、資源開発など、さまざまな面で注目される最前線なのだ。
北極取材班代表の出井亮太は、本取材で2024年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。
変貌する北極の現状を取材するため、時事通信社が2024年に編成した取材班。政治、経済、科学、外交、安全保障、水産各分野の専門記者と特派員で構成し、取材成果は連載企画「66°33′N =北極が教えるみらい=」と題して配信された。本書は、この連載に大幅な加筆を施し、その後の情報をアップデートしたものだ。
▢序章 蒼い海へ 研究船「みらい」北極航海同乗リポート
記者が体感した北極海の現状や過酷な環境で観測活動を行う研究者らの姿を紹介する。
6日に青森県むつ市の母港から出航。太平洋からベーリング海峡を抜け、北極海で観測を行い、9月30日に米アラスカ州のダッチハーバーで航海を終えた。急激に変動する北極の現状を報告する。
▢ 第1章 二つの北極
北極を舞台に交錯する各国の思惑と利害を描く。
平和は破られた。2022年に始まったロシアによるウクライナ侵攻で、北極は再びロシアと北大西洋条約機構(NATO)がにらみ合う「対立の海」となった。一方、トランプ大統領率いる米国と欧州の関係がぎくしゃくする隙をつき、中国がロシアと組んで影響力の拡大を狙う。
▢ 第2章 秘められた可能性
蒼い北極が秘める資源開発の可能性と日本の関与を探る。
北極では早ければ2030年代に、海氷がすべて消える夏が訪れるとい
われている。急速な温暖化は負の影響をもたらす半面、北極圏における石油や天然ガスなど海底資源の採掘を可能にした。新航路の開拓や新たな水産資源にも期待が集まる。
▢ 第3章未 来が見える場所
北極からもたらされる環境変化を追う。
「10年前、この辺りは分厚い氷で覆われていた」。海氷域航海の専門家が指さした先には、溶けかけのシャーベットのような海氷がぽつりぽつりと浮いているだけだった。世界で最も速く温暖化が進む北極では、既に生態系や人々の生活に変化が起き始めた。それは、われわれがそう遠くない未来に直面する現実でもある。
◎「時事ワールド・ウオッチング・シリーズ」
いまだ十分には知られていない国や地域の実情を、第一線の研究者や専門家、ジャーナリストらが独自の情報と知見を基に解説。インターネットでは得られない、信頼度の高い国際情報を提供していく。
■序章 蒼い海へ 研究船「みらい」北極航海同乗リポート
海氷/慌ただしい出航/急変する北極/船酔い/新型コロナが蔓延/船上の生活風景/みらいの数奇な運命/北極海はどこから?/「明日の島」と「昨日の島」/豊かな海に酸性化の危機/危険と隣り合わせの作業/北極らしくない海/天井のカーテン/激変する氷の海/ホッキョクグマはどこに?/北極の珍味/北極上空からの手紙/極寒の中、未明の採水作業/海中ドローンCOMAIの挑戦/漂流プラごみの集積地/観測終え、北極航海終了
■第1章 二つの北極
1.レーニンが見下ろす町―要衝スバールバル諸島 ~ロシアの示威活動が新たな火種に
2.ウクライナ戦争、極北の島に傷痕 ~住民分断、町の交流凍結―スバールバル諸島
3.過熱する米・中・ロの覇権争い ~グリーンランド巡り混沌
4.ロシア、北極評議会「脱退も」 ~グリーンランド問題、揺さぶりに利用か
5.中国、ロシアとの連携は「米欧に原因」 ~進出阻む包囲網に反発
6.失われた「平和の海」 ~鉄のカーテン復活、凍結された国際協力
■第2章 秘められた可能性
1.北極で「法の支配」目指す ~中ロ念頭、欧米と連携強化―日本政府
2.自然科学中心から課題解決型へ ~分野融合で北極研究を総合的に推進
3.新たな「みらい」が見据える未来 ~初の砕氷船、27年に北極点航海へ
4.エネ資源「最後のフロンティア」 ~日本参加のLNG開発は暗礁に
5.研究開発続く北極海航路 ~将来性に期待も、拭えぬ地政学リスク
6.北極公海の漁業管理ルール策定へ ~海氷減少で高級魚の漁場発生も
7.北極海経由で変わる国際通信 ~世界初、新ルートの光海底ケーブルが現実味
■第3章 未来が見える場所
1.世界の「気候崩壊」止まらず ~熱波や豪雨、北極温暖化が一因
2.50年までに海氷消失の可能性 ~気温上昇「1.5度」目標に取り組み
3.日本の異常気象にも影響 ~北極は温暖化の「カナリア」
4.解けゆく「第三の極」ヒマラヤ ~気候変動で災害頻発―北極の温暖化関係か
5.ホッキョクグマに絶滅の危機 ~6倍速で進む「気候崩壊」で生態変化
6.水温上昇で海洋生態系が急変 ~カラフトマスが北極海へ
7.プラごみ汚染、北極でも ~影響深刻、条約で規制強化の動き
8.消える海氷、命懸けの狩猟 ~先端技術で貫く伝統生活―カナダ先住民の村
9.はびこる「緑の植民地主義」 ~環境保護名目に先住民の暮らしを圧迫
10.消えるアラスカ先住民の村 ~北米初の「気候難民」が教える未来
海氷/慌ただしい出航/急変する北極/船酔い/新型コロナが蔓延/船上の生活風景/みらいの数奇な運命/北極海はどこから?/「明日の島」と「昨日の島」/豊かな海に酸性化の危機/危険と隣り合わせの作業/北極らしくない海/天井のカーテン/激変する氷の海/ホッキョクグマはどこに?/北極の珍味/北極上空からの手紙/極寒の中、未明の採水作業/海中ドローンCOMAIの挑戦/漂流プラごみの集積地/観測終え、北極航海終了
■第1章 二つの北極
1.レーニンが見下ろす町―要衝スバールバル諸島 ~ロシアの示威活動が新たな火種に
2.ウクライナ戦争、極北の島に傷痕 ~住民分断、町の交流凍結―スバールバル諸島
3.過熱する米・中・ロの覇権争い ~グリーンランド巡り混沌
4.ロシア、北極評議会「脱退も」 ~グリーンランド問題、揺さぶりに利用か
5.中国、ロシアとの連携は「米欧に原因」 ~進出阻む包囲網に反発
6.失われた「平和の海」 ~鉄のカーテン復活、凍結された国際協力
■第2章 秘められた可能性
1.北極で「法の支配」目指す ~中ロ念頭、欧米と連携強化―日本政府
2.自然科学中心から課題解決型へ ~分野融合で北極研究を総合的に推進
3.新たな「みらい」が見据える未来 ~初の砕氷船、27年に北極点航海へ
4.エネ資源「最後のフロンティア」 ~日本参加のLNG開発は暗礁に
5.研究開発続く北極海航路 ~将来性に期待も、拭えぬ地政学リスク
6.北極公海の漁業管理ルール策定へ ~海氷減少で高級魚の漁場発生も
7.北極海経由で変わる国際通信 ~世界初、新ルートの光海底ケーブルが現実味
■第3章 未来が見える場所
1.世界の「気候崩壊」止まらず ~熱波や豪雨、北極温暖化が一因
2.50年までに海氷消失の可能性 ~気温上昇「1.5度」目標に取り組み
3.日本の異常気象にも影響 ~北極は温暖化の「カナリア」
4.解けゆく「第三の極」ヒマラヤ ~気候変動で災害頻発―北極の温暖化関係か
5.ホッキョクグマに絶滅の危機 ~6倍速で進む「気候崩壊」で生態変化
6.水温上昇で海洋生態系が急変 ~カラフトマスが北極海へ
7.プラごみ汚染、北極でも ~影響深刻、条約で規制強化の動き
8.消える海氷、命懸けの狩猟 ~先端技術で貫く伝統生活―カナダ先住民の村
9.はびこる「緑の植民地主義」 ~環境保護名目に先住民の暮らしを圧迫
10.消えるアラスカ先住民の村 ~北米初の「気候難民」が教える未来