「自由」が「民主」を喰う

迷走するグローバリゼーションの深層

著者 平松 武
ジャンル 政治・経済
出版年月日 2020/08/25
ISBN 9784788717022
判型・ページ数 4-6・300ページ
定価 2,530円(本体2,300円+税)
在庫 在庫あり
自由主義と民主主義のアンバランスによって生じている
経済格差や難民問題、地球温暖化、GAFAの脅威……。
偏った世界に調和をもたらすためにできることとは?
最も深刻な類いの問題は、行き過ぎた「自由」によってもたらされている。

この問題は、統治体制が明確になっている国内秩序における「自由」と「民主」の関係の調整であれば、比較的単純である。それが、国境を越えて世界に広がり、地理的に民主的コントロールが及ばないところに「自由」が行き着くことによって、世界秩序の不完全さと相まってさらに困難な問題になっている。つまり、「自由」によって推し進められているグローバリゼーションと、「民主」的な意思決定に裏付けられた主権国家の間の関係(「国際」関係)との間のアンバランスが、この問題を一層複雑にしている。

多くの問題は、個人の自由を尊重しつつ法的に制約する可能性という法学的視点、格差の拡大や成長の維持・拡大等にかかる経済学的視点、難民等の社会に及ぼす影響といった文化的・社会学的視点、グローバリゼーションと国際秩序という国際関係論的視点など、さまざまな視点から総合的にとらえるべき問題である。それらを解決するための課題を明らかにし、進むべき方向を考える。


【本書目次】
第一章 「自由」と「民主」と国際秩序
第二章 グローバリゼーションという名で拡大する「自由」
第三章 暴走し始めた「自由」
第四章 「民主」による抵抗
第五章 「自由」と「民主」が激突するEU
第六章 「自由」と「民主」─どちらも守る
終 章 コロナにも中国にも負けない社会へ………

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