2028年度版 教員採用試験問題集注文書 - 2026.07.07
外交 Vol.98
世界は自律を模索する
米中二大国による〈力の支配〉、ロシアの脅威、経済安全保障、AIの急速な進展によって国際秩序が大きく揺らぐ中、多くの国は単純な「米中二者択一」ではなく、自国の選択肢を広げる「自律(オートノミー)」を追求し始めている。特集は、 ①欧州、インド、東南アジアの専門家による議論を通じて、それぞれの地域が「自律」をどのように定義し、価値・安全保障・経済のバランスを取りながら新たな秩序形成に向き合っているのかを比較検証する。②世界各国のさまざまな動きを検討する。③日本が既存の国際秩序の維持やルール形成、経済安全保障、信頼に基づく協力を通じて果たし得る役割と、今後の戦略的自律の方向性を探ります。
特集では欧州やNATOに造詣の深い鶴岡路人慶應義塾大学教授、インド政治に詳しい溜和敏中京大学教授、成長著しい東南アジア諸国の動向を追う鈴木絢女立教大学教授を招き、川島真東京大学教授の司会によるミニ・シンポジウム的な大型座談会を掲載。カナダ・カーニー首相の演説の意義と影響とは、トランプ大統領に揺さぶられるNATO。それに対して欧州各国はどのように結集するか。イラン戦争で米・イラン双方の仲介役として存在感を見せたパキスタンの思惑は、世界に驚きをもたらしたUAEによるOPEC離脱の事情と、OPECから離脱してどんな「自律」を目指すのかを分析します。
次に、世界秩序が不安定化する中、日本外交はどうあるべきかを考えます。巻頭では細谷雄一慶應義塾大学教授(本誌編集委員長)が、高市早苗首相がベトナムで行った「FOIP(自由で開かれたインド太平洋)演説」から日本の戦略の深化を読み解きます。自由貿易の「旗」として、ニュージーランドなどが発案し日本も積極的に関与して作られたTPP・CPTPPの新たな紐帯の可能性は、そして岸田内閣時に立ち上がったAZEC(アジア・ゼロエミッション共同体)の大きな可能性とは。日豪・日ブータンの新たな関係は。専門家や外交官が読み解きます。
■先進国の紐帯は、核拡散防止のゆくえは
5月の米中首脳会談、6月のエビアン・サミットと、大国・先進国の会合が続きました。米中対立、台湾問題はどうなるか。佐橋亮東京大学教授と高原明生東京女子大学特任教授が対談。このほか、G7サミットの分析、最終文書案の採択に至らなかったNPT(核兵器不拡散条約)の、文書採択を狙った努力が加盟国の結束に逆効果となった事態の展開は、スターマー首相退任となったイギリス政治の混沌状況は、ペルー大統領選挙など、今号も盛り沢山です。
「自由で開かれたインド太平洋」はいかに進化したか 細谷雄一(慶應義塾大学)
誌上シンポジウム●「自律」の時代新たな国際秩序形成に向けて 鶴岡路人(慶應義塾大学)×溜和敏(中京大学)×鈴木絢女(立教大学)×川島真(東京大学)
カーニー演説はミドルパワー連携に資するか スティーブン・ナギ(国際基督教大学)
「二つの時間軸」に揺れる欧州の安全保障秩序 合六強(二松学舎大学)
開発金融から見たアジア諸国の自律戦略と日本外交 西沢利郎(アジア開発銀行研究所)
イラン戦争で影響力回復を目指すパキスタン 栗田真広(中京大学)
OPEC脱退UAEの対外行動原 理堀拔功二(中東研究センター)
東アフリカ地域は高成長で経済を牽引 高橋史(住友商事グローバルリサーチ)
同志国連携のハブ 「NATOプラス」構想 中村浩平(NATO日本政府代表部)
日本の同志国連携 国際公共財としてのTPP 相良祥之(地経学研究所)
AZEC アジア脱炭素「自律」の戦略性 加藤真也(名城大学)
資源大国・豪州と日本その相互補完性の模索 シロー・アームストロング(オーストラリア国立大学)
ブータンの国家経営戦略とインド太平洋協力 安部憲明(在インド大使館)
FOCUS◎大国政治と西側の「結束」
対談●米中首脳会談と「楕円化」する世界 佐橋亮(東京大学)×高原明生(東京女子大学)
習近平主席「左傾化」で北朝鮮接近西村哲也(時事通信社)
G7エビアン・サミット 主導的ミドルパワーとしての欧州と日本 セリーヌ・パジョン(仏国際関係研究所)
カート・キャンベル(前・米国務副長官)インタビュー
米国は不安定な時期へ、アジアへの関与は続く
TREND 2026
英2大政党制の終焉を告げる「活断層」 力久昌幸(同志社大学)
NPT運用検討会議が突き付けたジレンマ 向和歌奈(亜細亜大学)
ドイツ 安保理非常任理事国選敗北の衝撃 藤原学思(朝日新聞)
ペルー ケイコ新政権は政治危機を克服できるか 村上勇介(京都大学)
ホーム
ご注文方法
カートを見る
YONDEMILLとは
お問い合わせ


関連書籍































