企業ミュージアムへようこそ 上巻 (単行本)

PR資産としての魅力と可能性

単行本

究極のオウンドメディアである「企業ミュージアム」の魅力と新たな可能性についてPRのプロフェッショナルが紹介する。

著者 電通PRコンサルティング
ジャンル 経営・ビジネス
生活・実用・子育て
出版年月日 2023/10/16
ISBN 9784788718814
判型・ページ数 A5・144ページ
定価 1,540円(本体1,400円+税)
在庫 在庫あり
企業ミュージアムは、「ミュージアム」というアカデミックな領域と「企業」というビジネス領域の両方にまたがるバッファーゾーンにある。そして運営を担う企業の広報、ブランディング、宣伝、人事などと多様に連携する組織である。本書では、企業が手掛けるさまざまなミュージアムの役割や機能、可能性についてPRのプロフェッショナルが紹介する。

企業ミュージアム――そこには訪れた人の心を揺さぶる、何かしらの価値がある。企業ミュージアムの二大テーマは、その企業のルーツと、その企業が属する産業そのものの魅力を紹介することだ。良くできた博物館には、とにかく隙がなく、大人向け、子ども向け、あらゆる趣向が巡らされている。
 また、その企業が生み出してきた商品紹介に加えて、その商品が世の中に出たことで、社会がどのように変わったのかということを実感してもらえることも重要。中には、大事故を起こしてしまった、とか。異物を混入させてしまったとか、そうしたいわば「黒歴史」を、正々堂々と公開しているところもある。これも企業ミュージアムの魅力の一つだ。

企業ミュージアムは、顧客と直接触れ合える場なので、作り手の方のテンションも上がる。コロナ禍でも多くのミュージアムが閉館せずに続いているのは、そうした理由も大きい。経営者と従業員の心をつなぐ、従業員同士の心をつなぐ、作り手の先にいるお客さまとの触れ合いを生む。そうしたコミュニケーションに、企業ミュージアムは貢献している。

企業ミュージアムに代表されるPRは〈狭く、深く〉。企業や業界そのものを、どれだけ学ぶことが楽しいもの、楽しみながら学べるもの、エンタメに昇華できるか、ということが博物館のキモの部分となっている。本書ではその魅力を伝える。
はじめに(電通PRコンサルティング 代表取締役社長執行役員 牧口征弘)
1 プロローグ――コロナ禍で一層存在意義を高める企業ミュージアム
2 経営資産「企業文化」を可視化する――資生堂企業資料館
3 貿易大国日本の「海運の歴史」を伝える――日本郵船歴史博物館
4 PRプロフェッショナルが見て感じた魅力――アドミュージアム東京
5 印刷産業のコアコンピタンスを伝える――印刷博物館
6 「経営の神様」の経営観や人生観に触れる――パナソニックミュージアム
7 未来のビジネスを共創する――Bridgestone Innovation Gallery
8 プロの矜持とおもてなしの心――まほうびん記念館
9 未来へ伝える「研究と創造の精神」――トヨタ産業技術記念館
10 「企業は社会の公器」を実践――INAXライブミュージアム
11 「手当て」の文化を世界へ伝える――久光製薬ミュージアム
12 日本近代科学の源流がここに――島津製作所 創業記念資料館
13 「どうしても親切が第一」という理念――TOTOミュージアム
14 自らを語らない企業広報――ゼンリンミュージアム
15 “隠さず、オープンに”という勇気と誠実さ――クロネコヤマトミュージアム
16 感動体験が創るエンゲージメント――ヤマハ イノベーションロード
17 創業者精神の伝承と意義――カップヌードルミュージアム 大阪池田
解説―歴史を慈しむ (時事通信解説委員 小林伸年)

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