「働きやすい」職場に向けた新常識『知っておきたい不妊症・不育症ガイド』

『知っておきたい不妊症・不育症ガイド』


知っているだけできっと見方が変わる

 あなたの周りに、不妊治療や流産の経験がある人はいますか? NOと答えた人の中にも、実は気づいていないだけで身近にいる可能性があります。不妊症はカップルの10~15%、流産は妊娠の10~20%で起こるといわれており、決して珍しいことではないのです。妊娠の高年齢化などにより、今後さらに増加するのではないかと考えられています。

 ただし、不妊治療は非常にプライベートなことであり、職場の同僚など親しい人にも伝えてない傾向にあります。また、流産の9割は妊娠12週未満で起こるため(いわゆる「安定期」は妊娠16週以降とされることが多い)、周囲の人は妊娠したことすら知らなかったというケースが少なくないのです。身近にいても気づかないでいると、知らぬ間に不用意な一言で、当事者を傷つけてしまう可能性もあります。

 不妊治療は2022年度から保険適用が予定され、流産・死産を繰り返す不育症は検査の一部に対する国による助成が2021年度から実施されています。職場では検査・治療と仕事の両立が求められていますが、そもそも不妊症や不育症(流産・死産)に関する基礎知識をまだ職場で共有していない場合が多いのではないでしょうか。例えば、不妊症の検査や治療の通院日程を仕事の都合などに合わせてコントロールできないことや、不育症の治療で通常の妊娠より通院回数が増える場合があることなどはあまり知られていません。

 本書では、不妊症・不育症の現状から、検査・治療の基本、よくある誤解や望ましい対応法まで、周囲の人が押さえておきたい基礎知識を図表付きで医師がやさしく解説しています。巻末には弁護士による労務管理のポイント解説も収録。職場での理解とサポートをバックアップする一冊となっています。

 「うつには休養が必要」「がんになっても働き続けられる」-これまでも職場では時代に合わせて、働く人への理解と支援を広げてきました。メンタルヘルスやがんなどと同様に、今後は不妊症や不育症に対する理解が望まれています。

こちらは本書の内容の一部です。

■ 不妊症・不育症は珍しくない

■ 検査や治療にどのくらい休暇が必要?

■ なぜ仕事との両立が難しいの?

■  周囲の人が知っておきたい身体的な負担

■ どんな言葉が傷つける?

■ 当事者の気持ちと望ましい対応

 

 知っているだけできっと見方が変わる! 職場も変わる!

令和版 職場の新常識―不妊症・不育症入門。管理職・人事担当者必読の書です。



【監修者プロフィール】

総監修:藤井 知行(ふじい・ともゆき)

医療法人財団順和会 山王病院 病院長/国際医療福祉大学大学院・医学部 教授/国際医療福祉大学グループ産婦人科統括教授

1982年東京大学医学部医学科卒業。米国フレッドハッチンソン癌研究所ヒト免疫遺伝学部門への留学を経て、1997年東京大学医学部産婦人科講師、2005年同助(准)教授、2012年同産婦人科学教室教授、2013年同教室主任教授。2021年より現職。専門は周産期医療、特に不育症。日本産科婦人科学会前理事長(2015~2019年)・現監事。

監修:原田 美由紀(はらだ・みゆき)

東京大学医学部産婦人科学教室 准教授

2000年東京大学医学部医学科卒業。米国ミシガン大学産婦人科/生化学教室への留学を経て、2016年東京大学医学部産婦人科学教室講師、2020年より現職。専門は不妊症。特に生殖補助医療、内視鏡手術。日本生殖医学会「生殖医療ガイドライン」作成委員を務め、妊孕性に関わる卵巣機能などについての研究にも携わる。

 

 

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