『「足が痛い」本当の原因はコレだ!』 ―自分の足で歩き続けるための処方箋



『「足が痛い」本当の原因はコレだ!』
―自分の足で歩き続けるための処方箋

 

 外反母趾が悪くなり、関節が靴に当たって痛い。ウオノメが痛くて、靴が履けない…。そんなとき、病院の何科を受診すればいいのか?

 

 外反母趾なら整形外科、タコやウオノメなら皮膚科に行く人が多いだろう。

 

 整形外科ではレントゲンを撮り、「それほど変形はしていませんね。湿布と痛み止めを出すので様子を見ましょう」と言われる。

 

 皮膚科ではウオノメを削る、あるいは麻酔をして取り去るといった治療がされる。湿布で冷やして安静にしていれば外反母趾の痛みはやわらぐし、ウオノメを取ってしまえば靴底に当たる痛みは薄れる。

 

 ほっとしたその数カ月後、外反母趾で変形した関節が靴に当たって悲鳴を上げ、同じ場所にまたウオノメができて足裏が痛む。

 

 こうした足のトラブルが起きると、欧米では迷わず足専門クリニックに行くという。

 

 ところが、日本では足を専門とするクリニックがほとんどない。整形外科、皮膚科、形成外科などの医師が診察しても、足の専門家ではないため、的確な判断につながらないケースもある。

 

 体の中で痛いところがあれば、誰でもそこに意識が集中する。医師も例外ではなく、患者が痛みを訴えればまずはそこの治療を考える。しかし、それが「原因」ではなく、「結果」として痛んでいるだけだとしたら、痛みを取り去っても根本的な解決にはならない。

 

 日本では数少ない足専門の医師である著者は、「足の痛みや変形の根本的な原因のほとんどは、足の骨格構造が崩れているため」という。

 

 外反母趾、ウオノメと同様、巻き爪やタコなどのトラブルも、足の骨格に起因している。そのため、部分的に治療しても治らないのだ。

 そこで本書では、ひとつの症状や病気だけに焦点を当てるのではなく、「足のトラブル」として全体をとらえ、よくあるケースについて実例をもとに対処法を説明する。

 

 人の足は9歳ごろまでに形が決まり、その足で一生を過ごす。 若いうちは多少足が悪くても膝や腰で体を支えバランスをとるため、特に大きな問題にはならない。

 しかし、歳をとるにつれてバランスが失われると、痛みが生じ、転倒するリスクにもつながる。足のトラブルは、QOL(生活の質)に大きな影響を与えるのだ。

 

 足は体の土台であり、家に例えるなら基礎に当たる。トラブルを侮っていると、全身の骨格構造のゆがみが生じ、膝痛や腰痛、肩こりなどを引き起こす。やがて自分の足で歩けなくなり、要介護の将来を招く恐れもある。

 そうならないために、自分の足の弱点を知ってそれを補い、正しく対応すれば、80歳、90歳になっても元気に歩き続けることができる。

 この1冊を自分の足で歩き続けるための処方箋として活用してほしい。

 

■著者プロフィール

 桑原 靖(くわはら・やすし)

 足のクリニック表参道院長。2004年埼玉医科大学医学部卒業。同大学病院形成外科で外来医長、フットケアの担当医として勤務。13年東京・表参道に日本では数少ない足専門クリニックを開業。専門医、専門メディカルスタッフによるチームで、足の総合的な治療とケアを行う。日本フットケア・足病医学会評議員。著書に『元気足の作り方 ― 美と健康のためのセルフケア』(NHK出版)、『外反母趾もラクになる!「足アーチ」のつくり方』(セブン&アイ出版)など。

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