できる教師のスゴ技―子どもがすぐ動くようになる声掛け




Qこんなときどうする?

指示をしたことができたか確認するとき





A トモ先生ならこう言わない!




先生:まだ〇〇してない?

子ども:(まずい…まだだ…)という雰囲気



「まだ」という言葉

 私たちが普段何気なく使っている「まだ~」という言葉。「まだ」という言葉に続くのはどんな言葉でしょうか?…それは、「~してない」です。


 「まだ」の後にはこのように否定する言葉が続くので、子どもはなんだか自分が否定された気持ちになってしまいます。こちらは否定している気持ちはなくても、言葉の持っている隠れた否定の意味が、子どもに「否定されている」という感覚を与えてしまっています。




「まだ」を使う場面

 「まだ」を使う場面はどんなときでしょう?


 ・まだ宿題を出してない人?
 ・まだ提出物を出してない人?
 ・まだ給食の準備をしてない人?


 いくらでも挙げられそうです…。それだけ気づかずに否定しまっているんですね…。しかし、どうしても「まだ」という言葉を使わなければならないときもあります。そんなときでも、子どもに否定している感覚を与えてしまっていることは忘れてはいけません。





A トモ先生ならこう言う!



先生:〇〇するのはこれから?

子ども:すぐにやります!



「これから」という言葉

 否定されている感覚を与えない言葉として、私がよく使うのは「これから」です。「まだ」を「これから」に言い換えます。


 「これから」という言葉に続く言葉は、「~しましょう」や「~できますか?」などです。これらから分かるように、「これから」の後には否定する言葉が続かないので、否定された感覚を与えません。


 言葉に隠された意味をきちんと意識して使うことで、無意識的に子どもに「否定された」という感覚を与えずに済みます。




「これから」の他の言い回し

 例えば提出物の確認をするときのことです。


 ・提出物は出せそう?
 ・提出物持ってきた?
 ・提出物今ある?


というように、色々な言い回しができます。「これから」が適さない場面や、伝えるニュアンスが微妙に違うと感じたときは、否定を与えない違う言い回しを考えます。言葉に隠れた否定を意識して否定を与えない言い回しにするだけで、学級の雰囲気は明るくなります。





高橋朋彦
1983年千葉県生まれ。千葉県小学校勤務。2019年「実践!私の教育記録」(日本児童教育振興財団主催)特別賞受賞。著書に『ちょこっとスキル』シリーズ(共著,明治図書)『明日からできる速攻マンガ4年生の学級づくり』(日本標準)。「教育サークル スイッチオン」「バラスーシ研究会」「日本学級経営学会」などに所属。算数と学級経営を中心に学んでいる。

*『月刊教員養成セミナー 2021年 12月号』
「子どもに想いが伝わるちょこっとフレーズ」より
現役小学校教師の高橋先生が、「こんなときにはこのフレーズが効く!」という子ども達への声のかけ方を、NG・OK例を交えてご紹介!読者のみなさんならどんな声かけをするか、自分なりの答えも是非考えてみてください!面接・場面指導対策にもなります!

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